昨年から新指導要領に従って英語の教科書が改訂されました。学習の進め方が、今の中学1年生(新中学2年生)の教科書から大幅に変更されました。東京書籍の教科書 NEW HORIZON 1 を例にお話しします。以前の教科書では Unit 0(導入のためのページ)のテーマが「アルファベットを声に出して読もう」「アルファベットを書こう」であったのに対し、新しい教科書では He’s a good tennis player. とか What food do you like? She can run fast. I want to join the dance team. といった英文でスタートしています。Unit 0 は学校によっては扱わないようですが、本格的に授業で扱う Unit 1 では、以前の教科書が I am Ellen Baker. You are Ando Saki. など I am, You are が基本文だったのに対し、新しい教科書では I am Meg Brown. I like Japanese food. Are you from Sydney? Do you play cricket? I can read hiragana. Can you read kanji? が基本文になっています。be動詞・一般動詞とその疑問文や否定文を一気に学習する上に、can の使い方まで入っています。こうした変更は「今の中学生は小学5年生から英語を学習している」ということが前提になって行われています。さて、25年間 APTIP で教えてきた当方としてはこれは疑問な点で、というのも一昨年の1年生(新中3生)やそれ以前の中1生と、変更後の1年生(新2年生)・新中1生を比べて、英語に対する理解とか習熟度がほとんど変わらないという印象を持っているからです。本当に小5から英語を始めていることを前提にしてやっていいのか?という感じなのです。これはどういうことになるかというと、理解力のある子、自分で勉強を進める子はどんどん進む一方で、なんだかわからないまま置いていかれる子が以前よりも増えてしまう、つまり格差が拡大することを意味します。決して不安を煽ろうというのではありません。現実問題として、英語の教科書は以前よりもはるかに理解しづらくなっています。この指導方針の変化の背景には、ネイティヴ感覚で英語をつかもう、生の英語に親しもうといったことがあるようですが、私たちはネイティヴではないので、ネイティヴの人たちほど頻繁に英語に接しません。そういう私たちが英語を勉強するには文法ルールを理解して、単語を覚えて、基本的な英文を暗誦して、というステップが必要です。何か、教科書だけがひたすら使いにくいものになってしまったように思います。ということで、まずはお子さんがアルファベットの小文字がちゃんと書けるかチェックしてみてください。まずはそこからです。そして教科書とは別にきちんとbe動詞の使い方を習熟し、その後で一般動詞の使い方を習熟し、という基本的なステップに従った文法の学習をするように計画を立てる方が良いのではないかと思っています。(ちなみに中学3年間で学習する文法事項は以前のものに原形不定詞を用いた文と仮定法の基本が加わるだけなので、中1の頭から欲張ってcanの使い方までやるのはどうしてなのか、謎だなぁと思っています) by にゃご
無理させないでください! by ほわ
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