xとyに関する連立方程式 ax+y=1・・・① x+ay=1・・・② の解答です。
①より y=-ax+1・・・③
②に代入して x+a(-ax+1)=1
x-a^2x+a-1=0
(a-1)-x(a^2-1)=0 (a^2はaの2乗を表します)
(a-1)-x(a-1)(a+1)=0
(a-1){(a+1)x-1}=0・・・④
したがって、④より、 a-1=0 または (a+1)x-1=0
(ⅰ) a=1の時は、①と②はx+y=1に一致する。(すなわち同一の方程式となるので解は無数にある)
(ⅱ) (a+1)x-1=0でa=-1とすると、0=1となり成り立たない。つまり、解は存在しない
(ⅲ) a≠±1のとき、(a+1)x-1=0より x= 1/a+1 このとき③より y= 1/a+1
以上により、
a≠±1のとき x= 1/a+1 、y= 1/a+1
a=1 のとき x+y=1を満たす任意のx、y
a=-1 のとき 解なし
が解答となります。文字係数の時は“場合分け”が必要になる点が重要ポイントだったのです。高校生なると「場合分けして解答せよ」と問題に書いてなくても、自分で判断して場合分けして答えられるようにならなければなりません。
どこでそれに気づくのでしょうか?それは、(a+1)x-1=0を x= の形にする際、両辺をa+1で割ろうとする瞬間に気がつきます。数学では0で割ることはできない決まりになっています。a+1はaが-1のとき0になってしまいますから、このときだけ個別に考えなければなりません。ここで、場合分けに気づけるのです。
係数に文字が入るだけで難易度がものすごく跳ね上がる連立方程式なのです。しかし、解法のポイントは「xかyのどちらか1文字を消去する」というもので、これは中学生と変わらないのです。このように、同じタイプの問題は同じ方針で解くことができるということを学ぶことができる問題でした。
一方、中学では連立方程式の解はグラフの交点と一致する、ということも学びますから、この問題を関数的にとらえるならば、a=1のとき2つの式は一致する、つまり、同一のグラフになるので、交点は無数に存在することになります。(グラフが重なるから!) よって、y=-x+1を満たす点すべてが連立方程式の解となります。同様に、a=-1のとき2つの式はy=x+1とy=x-1となって、グラフは平行になります。つまり、「交点はない」ので「解なし」、ということになります。このように問題を関数的にとらえて可視化して見通しをよくするということも学べるのでした。
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