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構造的に理解し、覚える!

執筆者の写真: aptip1997aptip1997

 たとえば理科の授業では、中学1年生で学習する岩石の分類を、下のプリントのように分類、構造化して覚えてもらいます。今回は火成岩(上部の表の部分)の覚え方についてのお話です。

 まず、岩石のでき方の違いによって火成岩(マグマが冷え固まってできた)と堆積岩(海底や湖底に積もった砂や泥、生物の遺骸などが長い間に隙間がつまり固まってできた)の二つに大きく分けます。

 火成岩は2つのグループに分けます。地表または地表付近で急に冷え固まってできた(ア)と、地下深くでゆっくり冷え固まってできた(イ)。

 地下深くでゆっくり冷えると鉱物の結晶が大きく成長できるので深成岩(イ)のつくりは等粒状組織、急激に冷やされると結晶が十分に成長できないので火山岩(ア)のつくりは斑状組織となります。

 次に、色、マグマの粘り気、噴火の様子、火山の形については、岩石に含まれる二酸化ケイ素という物質の割合に着目すれば、統一的に覚えることができます。

 地殻中に多く含まれる二酸化ケイ素の代表的なものとして石英があります(余談ですが、二酸化ケイ素の検索で出てきた通信販売会社「モノタロウ」では、二酸化ケイ素を主成分とする商品として、石英ガラスやシリカゲルが売られています)。色はほぼ無色で、粘り気が強い物質ですから、二酸化ケイ素の割合が大きい岩石ほど白っぽい色になります。また、二酸化ケイ素は粘り気が強いため流動性が低く、すぐに冷え固まるので山の形は釣り鐘型になります。そうするとマグマが噴出する火口付近に溶岩ドームを形成することがあり、爆発的噴火を起こすことがあります。

 一方、マグマが住宅街にゆっくり近づいてくるハワイの映像を見たことがある人は多いと思いますが、粘り気が少ないのでハワイの山は黒っぽく、爆発的噴火はあまりしません。



流動性の高い溶岩の流れ(ハワイ島)


ハンドパワーで溶岩流を止めようとしている!?







ハワイ島のマウナロア火山の稜線


下の普賢岳に比べて傾斜が緩やかなのがわかる(盾状火山)。





雲仙普賢岳 1990年11月17日、198年ぶりに噴火した。その後頻発した火砕流や土石流により、島原市(長崎県)など多くの地域が被災。犠牲者は、消防団員や警察官、報道関係者ら43人を含む計44人。

 粘り気が強いので白っぽく、傾斜が急な釣り鐘型になっている(鐘状火山)。



 理解をともなった暗記は棒暗記と違って、長期的な記憶になりやすいのです。その理解の際には可能であれば「分類すること」「構造化すること」がおすすめです。構造化することによってより理解はより深まり、長期記的な記憶維持につながるのです。

 なお、火山岩(ア)の例として流紋岩・安山岩・玄武岩、深成岩(イ)の例として花崗(かこう)岩・閃緑(せんりょく)岩・はんれい岩があり、これらはゴロ合わせで覚えてもらいます。その中で有名なのが、「リカちゃんあせってゲロはいた」と「新幹線は、かりあげ」でしょうか。印象的なゴロ合わせは強力な暗記法ですね!




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